ドライクリーニングって何?
どんな汚れを落とせるの?
ドライクリーニングできないものはあるの?
この記事では、上記の疑問を解決できます。
結論から言うと、ドライクリーニングとは、最も一般的なクリーニング方法の1つです。
こんにちは!宅クリドットコムのなかむです。
近所のクリーニングに服を出せば、ほぼ100%の確率でドライクリーニング、と言えるくらいメジャーな洗い方です。
そこで今回はクリーニングを利用しようという方に、ドライクリーニングとは何か、メリットやデメリットを詳しく解説します。
この記事を読めばドライクリーニングで落ちる汚れ、出すべき衣類や注意点がが分かり、効率的にクリーニングを利用するにはどうすればよいかが理解できます。
ドライクリーニングとは?
ドライクリーニングは、水を使用せずに溶剤を使って衣類をきれいにする方法です。
水に弱い素材やデリケートな衣類の洗濯に適しており、専門的な知識と設備が必要な洗い方です。
ドライクリーニングは、繊維の状態を保ちながら衣類を洗浄するため、水洗いでは縮んだり型崩れしたりする可能性のある衣類でも安全にクリーニングすることが可能。
一般的な水洗いでは落ちにくい油性の汚れやシミも効果的に取り除くことができますよ。
ドライクリーニングの仕組み
ドライクリーニングは、特殊な溶剤を使用して衣類を洗浄する方法です。
衣類は専用の機械で溶剤と一緒に回転させ、汚れを浮かせながら除去します。
最後に衣類を乾燥させて溶剤を蒸発させ、仕上げを行えば完了。
ドライクリーニングで落ちる汚れは?
ドライクリーニングでは、油性の汚れや特定の化学物質による汚れが効果的に取り除かれます。
ドライクリーニングは油汚れに強い。
身近な汚れは下記の通りです。
ドライクリーニングで落ちる汚れ | ドライクリーニングで落ちない汚れ |
食用油 ファンデーション 口紅 | 汗 尿 血液 |
ドライクリーニングで水に溶ける汚れは落ちる?
結論から言うと、ドライクリーニングで水溶性の汚れを落とすことは難しいです。
ドライクリーニングでは水を使用せずに溶剤を使いますが、この溶剤は水に比べて揮発性が高く、水ベースの汚れを浮かせる能力が制限されています。
衣類の素材や汚れの種類に応じて、ドライクリーニングか水洗いかを判断することが重要です。
ドライクリーニング溶剤の特徴とは?
ドライクリーニングは、水ではなく油性の溶剤を使って服を洗います。
溶剤の種類は主に下記の3つが一般的。
- パークロロエチレン(テトラクロロエチレン)
- フッ素系溶剤
- 石油系溶剤
パークロロエチレン(テトラクロロエチレン)
パークロロエチレンは、広く使用されているドライクリーニング溶剤であり、優れた洗浄能力と除菌効果を持っています。
パークロロエチレンは、石油由来の有機溶剤であり、その特性により多くの衣類に対して効果的な洗浄が可能。
繊維への浸透性が高く、油性の汚れやタンパク質ベースの汚れを効果的に除去することができます。
また、パークロロエチレンは抗菌性があり、衣類の除菌効果も期待できます。
フッ素系溶剤
水ベースの汚れや水ベースのシミを除去する際に適した溶剤です。
また、フッ素系溶剤は衣類の防水性や撥水性を向上させる効果もあります。
プロのドライクリーニング店では、衣類の素材と汚れの種類に応じて適切な溶剤を使用してクリーニングを行い、衣類の美しさと機能性を保つことができます。
石油系溶剤
石油系溶剤は、広範な衣類に対して効果的なドライクリーニング溶剤です。
繊維への浸透性が高く、頑固な油性の汚れや一部のタンパク質ベースの汚れを効果的に取り除くことができます。
ただし、素材や染料の特性によっては注意が必要な場合もありますので、プロのドライクリーニング店で適切な処理方法を相談することをおすすめします。
適切な溶剤の選択と処理により、衣類をクリーンで美しい状態に復元することができます。
ドライクリーニングのメリット2つ
ドライクリーニングを選ぶうえで、知っておくべきメリット2つをまとめました。
- 油汚れに強い
- 型崩れしにくい
油汚れに強い
ドライクリーニングは油汚れに対して非常に強力な洗浄力を持っています。
油汚れが付着した衣類を効果的に除去するためには、ドライクリーニングが最適な選択肢です。
ドライクリーニングの溶剤は水を使用せず、油汚れを浮かせる特殊な化学溶剤を使用します。
これにより、繊維に深く浸透して油汚れを効果的に取り除くことができます。
型崩れしにくい
ドライクリーニングは衣類の型崩れを防ぐ点でも優れています。
衣類を形状保持しながらクリーニングするため、型崩れや歪みのリスクを最小限に抑えることができます。
ドライクリーニングは水を使用せず、特殊な溶剤を使用するため、衣類が水に浸されることなくクリーニングされます。
これにより、衣類の繊維や構造が水の影響を受けるリスクが減少し、型崩れしにくくなりるのです。
実際にドライクリーニングに出したカーディガンも型崩れせず、出す前よりシルエットがきれいになりました。
上記のカーディガンをクリーニングしたのは、宅配クリーニングのクリーニングモンスターです。レビュー記事のリンクを載せていますので、興味のある人はクリックしてみてください。
ドライクリーニングのデメリット2つ
ドライクリーニングに出す前に「これだけは知っておけ!」というデメリット2つをまとめました。
- 水溶性の汚れが落ちづらい
- 臭いと感じることがある
水溶性の汚れが落ちない
ドライクリーニングは、汗などの水溶性の汚れに対しては効果が限定されることがあります。
水溶性の汚れを効果的に除去するためには、水洗いなど、他のクリーニング方法を検討する必要があります。
例えば、夏物のスーツをドライクリーニングに出すと、見た目はきれいになっても汗の汚れは落ちていません。
私が夏物のスーツの汗汚れを落とすときは、水洗いまたは汗抜き加工を注文します。
水洗いと、汗抜き加工は両方とも水溶性の汚れを落とすための洗濯方法ですが、それぞれ下記のメリット・デメリットがあります。
安く済ませたい場合は、汗抜き加工。
クオリティ優先なら水洗いのクリーニングがおすすめ。
臭いと感じることがある
ドライクリーニングされた衣類から臭いを感じることがありますが、原因は主に2つ。
- 臭いの原因が衣類に残っている
- 溶剤の管理・洗いが悪い
ドライクリーニングは、油汚れに強く水汚れに弱いといった特徴があります。
そのため、口紅やファンデーションの臭いは取れますが、汗のにおいを取ることはできません。
臭いの原因の一つに、クリーニングに使われる溶剤の管理・洗い方が悪い可能性があります。
ドライクリーニングに使われる溶剤は環境に配慮して、そのまま排水することが禁じられています。
そのため、使った溶剤は濾過され、何回か繰り返し使った後に決められた方法で廃棄します。
そのため、クリーニング業者によってはコスト削減で溶剤を何回も使いまわすケースがあり、結果的に服に臭いが残るのです。
臭いは数日間通しの良い場所で干すことで軽減されます。
クリーニングしているのに臭いが付くことが多い業者は、お店を変更することをおすすめします。
ドライクリーニングと水洗いの違いとは?
ドライクリーニングと水洗いは、衣類のクリーニング方法において異なるアプローチを取ります。
ドライクリーニングは水を使用せず、特殊な溶剤を使って衣類を洗浄します。
一方、水洗いは水と洗剤を使用して衣類を洗います。
どちらの方法を選ぶかは、衣類の素材や汚れの種類によって異なります。
ドライクリーニングとウエットクリーニングの違いについて、まとめた結果は下記の通りです。
ドライクリーニング | ウエットクリーニング | |
洗い方 | 油性の溶剤で衣類を洗う | 水で衣類を洗う |
落ちる汚れ | 油溶性の汚れ | 水溶性の汚れ |
メリット | 衣類の型崩れが少ない 色落ちが少ない | 風合いを保てる 汗と臭いが取れる |
デメリット | 水溶性の汚れが落とせない | 油溶性の汚れは落とせない 仕上がりが洗う人の技術に左右される |
ウエットクリーニングについて下記の記事にまとめています。興味がある人はチェックしてください。
»ウエットクリーニングの仕組みとは?メリット・デメリット、料金の相場も紹介
ドライクリーニングの料金は?
ドライクリーニングの料金は、衣類の種類、サイズ、クリーニング店舗の地域や価格設定によって異なります。
一般的には、衣類の種類や加工の複雑さ、汚れの程度に応じて料金が設定されます。
また、特殊なアイテムやデリケートな素材のクリーニングには追加料金がかかる場合もあります。
以下に一般的なドライクリーニングの料金の目安を示しますが、地域や店舗によって異なることに注意してください。
衣類 | ドライクリーニング料金の目安 |
スーツ | 3,000円から5,000円程度 |
ワンピース | 2,500円から4,000円程度 |
シャツ | 500円から1,000円程度 |
コート | 4,000円から7,000円程度 |
ドライクリーニングできるもの・できないもの
ここまでドライクリーニングのメリットやデメリットについてお話しました。
ここでは、ドライクリーニングに出すべき衣服について説明します。
ドライクリーニングに適している具体的な衣類の例としては、ウールやシルクのスーツ・ドレス・ジャケット・コートなどが挙げられます。
逆にドライクリーニングできない素材は、
ドライクリーニングのマークで判断する
ドライクリーニングのマークは、衣類メーカーやブランドが衣類の素材やデザインに基づいて推奨しているクリーニング方法を表しています。
ドライクリーニングは水洗いに比べて衣類の縮みや色落ちのリスクが少なく、デリケートな素材や特殊な加工が施された衣類に適しています。
下記はドライクリーニングの新旧マークです。
×マークは、ドライクリーニングできません。
ドライクリーニングできるもの | ・ウール ・アンゴラ ・レーヨン ・レース ・麻 ・ポリエステル |
ドライクリーニングできないもの | ・合成皮革 ・スパンコール ・ビーズ ・プリント柄 |
さらに、クリーニング業者によってはクリーニングの対象外の服もあるので、利用する前に確認することをおすすめします。
レザーは水に弱く、クリーニング過程で変色や硬化が生じる可能性があります。
さらに、レザーはクリーニングの対象外の業者も多いです。
これらの衣類は専門の革製品クリーニング業者に相談することが重要です。
実際に革製品の衣類をクリーニング依頼した体験談をまとめました。興味がある人は下記の記事を参考にしてくださいね。
ドライクリーニングマークの服は自宅で洗濯できる?
一般的に、ドライクリーニングマークのついた衣類は専門のクリーニング業者に頼むべきです。
自宅での水洗いは避けるべきですが、一部の衣類や素材に関しては洗濯表示やメーカーの指示に従い、自宅での手洗いや特定のケア方法が可能な場合もあります。
クリーニング業者は、適切な溶剤と技術を使用して衣類をクリーニングし、最高の結果を提供します。
例えば、スーツを自宅の洗濯機で洗うことはできますが、洗濯後の仕上がり(乾かし方、形を整える)は、業者じゃないと上手くできません。
ドライクリーニングマークの衣類を水洗いしたらどうなる?
水洗いはドライクリーニングとは異なるクリーニング方法であり、素材やデザインに影響を与えるリスクがあります。
衣類の劣化、収縮、色落ち、変形などの損傷が発生する可能性があるため、慎重に扱う必要があります。
結論、間違って水洗いしてしまった衣服を捨てることが惜しい場合、クリーニング業者に相談してください。
以前、高級宅配クリーニングに取材に行った際、クローゼットが水漏れで全滅した件をお聞きしました。そういった案件も相談される「ワードローブトリートメント」の話をまとめました。
ドライクリーニングまとめ
今回のおさらいです。
- ドライクリーニングは水を使わず、溶剤を使う洗い方
- ドライクリーニングのメリットは、油汚れに強く、型崩れしにくい
- デメリットは、水溶性の汚れが落ちずらい→汗抜きを使おう
- クリーニングした服が臭いと感じたら、別のお店に変えよう
- ドライクリーニングの料金は、スーツでスーツ3,000円から5,000円程度
- ドライクリーニングできない衣類は、服についているマークをチェック
- ドライクリーニングマークのある服は、自宅で洗わない方がいい
専門のクリーニング業者に依頼することで、衣類の劣化や変形を防ぎ、長い間美しく保つことができます。
衣類の取り扱いには注意し、適切なクリーニング方法を選択しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。